閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive sleep apnea syndrome: OSAS)に関する問題の解説です。
今回の問題は第9回の53番です。
正解はa.cです。
では、各設問について考えて見ましょう。
a
aの選択肢に関しては、OSASの患者では睡眠の分断が頻繁に起きていると考えられています。
また、「OSASが夜間頻尿の原因になる」ことも知られているため、そのような観点からも中途覚醒が増加することは理解しやすいでしょう。
また、「OSASが夜間頻尿の原因になる」ことも知られているため、そのような観点からも中途覚醒が増加することは理解しやすいでしょう。
b
次はbについて考えてましょう。
男性では年齢の増加とともに有病率が増加することが知られています。そのため、基本的には加齢に伴って有病率は増えると理解してもらって良いでしょう。
しかし、70歳以降では有病率がプラトーに達することも知られています。
これのプラトーになる理由は、OSASが死亡率を上げることを考慮して、OSASの患者が死亡することが影響ではないかという説があります。
一方で、女性は男性と比較するとOSASは発症しにくいことが知られています。
重要なこととして、女性では閉経後に有病率が増加することが知られています。
性ホルモンがOSASに対して保護的な働きがあるのではないかと考えられています。
c
cについて、OSASは生活習慣病と呼ばれるような疾患に関与します。
OSASの病態としては、夜間の睡眠中に気道の閉塞に伴い、無呼吸や低呼吸が起きる疾患です。これにより、睡眠中に呼吸努力、酸素化の低下、交感神経活性の亢進が生じます。
OSASの病態としては、夜間の睡眠中に気道の閉塞に伴い、無呼吸や低呼吸が起きる疾患です。これにより、睡眠中に呼吸努力、酸素化の低下、交感神経活性の亢進が生じます。
一元的な理由は説明困難ですが、OSASは「逆流性食道炎」、「高血圧」、「2型糖尿病」、「心筋梗塞」、「脳梗塞」、「脳出血」、「心房細動」、「心不全」などの様々な疾患と関係していることが知られています。
d.e
最後にd.eに関してです。一般的なOSASの診断基準と治療基準についての知識が必要な問題です。
OSASの診断は、ご存知の通り終夜Polysomnography(PSG)を用いて行います。
これは、脳波、胸・腹の動き、SpO2など様々なパラメータを用いて睡眠を包括的に評価する検査です。
日本では10万円(保険適応で3万円)程度の検査ですね。
この検査で、Apnea Hypopnea index(AHI)を測定します。
また、自宅で検査可能な簡易モニターもあります。種類によっては脳波が測定できるもの、できないものがあります。
この簡易モニターで呼吸の状態、SpO2の低下を元に計算した、respiratory evet index(REI)も臨床では用いられます。
治療としては、まず、アデノイドなどの物理的な閉塞があれば手術が考えられます。
次に、手術以外の治療としては
「AHI<20」であれば一般的には口腔内装具(マウスピース)や、ダイエット、側臥位での睡眠などを推奨します。
そして、「AHI≧20」であればCPAP治療に保険が利用できるようになります。
また、例外的にはなりますが、先ほど上で示した「REI≧40」の場合は身体的な影響が非常に高いと考えて、PSGによる再検査を行わずにCPAP治療が導入できます。
口腔内装具とCPAPの治療に関しては、CPAP治療のほうがより効果的と考えられています。CPAPの治療では、基本的にAHI<5となるように圧力を調整します。
マウスピースは顎を前に出すことで物理的な閉塞を改善させますが、CPAPほどはAHIを改善させません。
しかし、最近の報告ではCPAP脱落例にマウスピースを使用し、AHIの改善は少ないが高血圧などの合併症が改善したという報告もあります。
Apneaは無呼吸で、簡単に言えば殆ど呼吸が止まっている(90%以上)ということを意味します。
Hypopneaは低呼吸で、簡単に言えば呼吸が減弱している(30%以上)状態で、それに加えて、SpO2の低下や脳波上の覚醒(Arousal)を伴っていることを意味します。
これらが一時間に何回起きたかを評価したものがAHIです。
OSASの診断は、ご存知の通り終夜Polysomnography(PSG)を用いて行います。
これは、脳波、胸・腹の動き、SpO2など様々なパラメータを用いて睡眠を包括的に評価する検査です。
日本では10万円(保険適応で3万円)程度の検査ですね。
この検査で、Apnea Hypopnea index(AHI)を測定します。
また、自宅で検査可能な簡易モニターもあります。種類によっては脳波が測定できるもの、できないものがあります。
この簡易モニターで呼吸の状態、SpO2の低下を元に計算した、respiratory evet index(REI)も臨床では用いられます。
基本的には下記で示した例外を除いて、簡易モニターを行った後にCPAP治療を行えるかどうかを判断するにはPSGを再度行う必要があります。
診断は一般的にはAHIを用いられる
OSASは「AHI≧15」もしくは「AHI≧5と眠気などの自覚症状や高血圧などの身体疾患がある場合」に診断可能です。治療としては、まず、アデノイドなどの物理的な閉塞があれば手術が考えられます。
次に、手術以外の治療としては
「AHI<20」であれば一般的には口腔内装具(マウスピース)や、ダイエット、側臥位での睡眠などを推奨します。
そして、「AHI≧20」であればCPAP治療に保険が利用できるようになります。
また、例外的にはなりますが、先ほど上で示した「REI≧40」の場合は身体的な影響が非常に高いと考えて、PSGによる再検査を行わずにCPAP治療が導入できます。
口腔内装具とCPAPの治療に関しては、CPAP治療のほうがより効果的と考えられています。CPAPの治療では、基本的にAHI<5となるように圧力を調整します。
マウスピースは顎を前に出すことで物理的な閉塞を改善させますが、CPAPほどはAHIを改善させません。
しかし、最近の報告ではCPAP脱落例にマウスピースを使用し、AHIの改善は少ないが高血圧などの合併症が改善したという報告もあります。
※AHIとは何か!?
Apneaは無呼吸で、簡単に言えば殆ど呼吸が止まっている(90%以上)ということを意味します。
Hypopneaは低呼吸で、簡単に言えば呼吸が減弱している(30%以上)状態で、それに加えて、SpO2の低下や脳波上の覚醒(Arousal)を伴っていることを意味します。
これらが一時間に何回起きたかを評価したものがAHIです。
ということで、dはCPAP治療が可能かの基準、eはCPAPの方が効果的ということですね。
参考:睡眠障害国際分類第3版
今回は閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive sleep apnea syndrome: OSAS)についての設問の解説をしました。
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