精神科専門医 第9回12番 睡眠障害



睡眠障害に関する問題の解説です。
今回の問題は9回の12番です。

正解はa.bです。


では、各設問について考えてみましょう。


a.d

夜驚症(睡眠時驚愕症)、睡眠時遊行症は睡眠時随伴症群 (パラソムニア)に分類された疾患です。

夜驚症(睡眠時驚愕症)

睡眠時驚愕症の有病率は十分な検討が行われていません。

有病率
・小児:1%から6.5%
・成人:2.2%
15歳から64歳の年齢層では実質的に有病率は一定で2.3%から2.6%
65歳以上は1%以下に低下

他の研究
5歳未満の小児の25%で睡眠時驚愕症が断続的に出現すると報告されています 。

睡眠時遊行症

睡眠時遊行症の障害有病率は18.3%とされています。

近年の研究
睡眠時遊行症の多くを含むと考えられる「夜間のさまよい」の生涯有病率は29.2%と報告

スウェーデンの研究
6歳から16歳の小児で40%
成人は4.3%

 夜驚症(睡眠時驚愕症)と睡眠時遊行症は成人よりは児童で多い疾患になります。
「夢遊病」の子供の話は、医療に関係なく耳にしたことはあるのではないかと思います。
これらは、NREM parasomiaと呼ばれ、ノンレム睡眠からの覚醒障害群です。


参考までに、パラソムニアは下記のように分類されています。  
A. ノンレム関連睡眠時随伴症群
1.(ノンレム睡眠からの)覚醒障害群
①錯乱性覚醒②睡眠時遊行症③睡眠時驚愕症
2.睡眠関連摂食障害
B.レム関連睡眠時随伴症
1.レム睡眠行動障害2.反復性孤発性睡眠麻痺3.悪夢障害
C.その他の睡眠時随伴症群
1.頭蓋内爆発症候群
2.睡眠関連幻覚
3.睡眠時遺尿症
4.身体疾患による睡眠時随伴症
5.薬物または物質による睡眠時随伴症
6.特定不能な睡眠時随伴症
孤発症状と正常範囲の異型-寝言

c

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)

海外での成人OSASの有病率

無呼吸低呼吸指数(AHI)5の場合は男:24%、女:9%
日中の眠気の合併も条件に含めると男:4%、女:2%
男女比は男:=2:1程度と考えられています。

しかし、最近では肥満の増加に伴って有病率は増加していると考えられています。


海外での小児OSASの有病率

推定有病率は14%で、アデノイドや肥満が原因になります。
児童における肥満が蔓延しているため、有病率は増加していることが予想されています。


d

レストレスレッグズ症候群(RLS)


むずむず脚症候群の名でも知られていますが、RLSの患者の21%57%は腕に何らかの感覚を訴えるため、脚のみでない点に注意が必要です。

ヨーロッパと北米の一般住民を対象とした疫学調査
RLSの有病率は510%
アジア諸国の研究ではより低い有病率が示されています。

有病率は女性で男性よりも2倍高い

多くの研究では有病率は6070歳まで増加するが、アジア人集団では年齢と関係した増加は認められていません。

臨床的に意味のあるRLSの有病率
ヨーロッパと北米で23%で、アジアはこれより低くなります。
年間発生率は0.8%2.2%

イギリスやアメリカ、トルコの研究
小児での有病率はで2%4%で、中等度から重度のRLSはおよそ0.5%1%

e

睡眠相前進概日リズム 睡眠覚醒障害群(DSM-5)


一般人口における有病率は不明

中年成人(4064)を対象とした大規模調査
一般人口における有病率が1%程度と推計

高齢であることが危険因子
20歳から59歳の群での調査では、高齢になるほど朝型が増加


参考:睡眠障害国際分類第3版


OSAS、RLS、睡眠相前進概日リズム 睡眠覚醒障害群(DSM-5)は小児期よりも成人で多い疾患ですね。
特にOSASやRLSは精神科の一般臨床でも目にするため、成人に多いことはイメージできますよね。
睡眠相前進概日リズム 睡眠覚醒障害群(DSM-5)は、高齢者で早起きが多いことからイメージしやすいですね。


第9回 解答一覧


目次です。各記事まとめもあり。

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