有名事項ではありますが、精神科薬理学的知識を系統的におさらいしておかないと選びにくい問題かもしれません。
正解はaです。
解説
抗うつ薬において抗コリン作用を有するものはモーズレイ処方ガイドラインを参照すると、以下の通りになります(本邦未承認の薬剤は省いています)。
この表をさらにサマライズしてみましょう。
①三環系抗うつ薬は程度の大小はあれ、すべて抗コリン作用を有する。
②SSRIにおいては、パロキセチンのみ抗コリン作用を有する。
※SSRI…パロキセチン、フルボキサミン、エスシタロプラム、セルトラリン
③SNRIは抗コリン作用を有さない。
※SNRI…デュロキセチン、ベンラファキシン
④四環系抗うつ薬はミアンセリンについては抗コリン作用を有さない。
その他(マプロチリン、セチプチリン)については記載がないが、添付文書には、以下のような記載があります。
・セチプチリン(テシプール®):「本剤は抗コリン作用を若干有する」
・マプロチリン(ルジオミール®):「本剤は抗コリン作用があり、…」
⑤その他の抗うつ薬(NaSSa、トラゾドン)については抗コリン作用を有する。
このように分けてみれば比較的覚えやすいですね。
コリンリバウンド
抗コリン作用の強い薬剤を急に中止する場合、コリンリバウンドといってコリンに伴う離脱症状(焦燥感、不安、不眠など)が生じることもあるので、薬物療法の際には慎重な減薬が必要になります。a
パロキセチンは抗コリン作用が強いことで有名ですね。
また、パロキセチンに関してはパロキセチン自身がCYP2D6を阻害し、そのことで更にパロキセチンの血中濃度が維持されやすいことに注意が必要です。
減薬を慎重に行わないと、退薬症状が出現しやすくなります。
抗精神病薬のオランザピンでも問題になりますが、抗コリン作用の強い薬を突然中断するとコリン作動性リバウンドが出現します。一般には、焦燥感、不安、不眠などといった症状が有名ですね。
また、パロキセチンに関してはパロキセチン自身がCYP2D6を阻害し、そのことで更にパロキセチンの血中濃度が維持されやすいことに注意が必要です。
減薬を慎重に行わないと、退薬症状が出現しやすくなります。
抗精神病薬のオランザピンでも問題になりますが、抗コリン作用の強い薬を突然中断するとコリン作動性リバウンドが出現します。一般には、焦燥感、不安、不眠などといった症状が有名ですね。
当然、その他の抗うつ薬に関しても抗コリン作用はありますが、パロキセチンほどは注意が必要にはなりません。
第9回 解答一覧
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