ジャンルは統合失調症にしています。
今回の問題は第9回の17番です。
正解は b, d です。
非定型精神病(満田)は縦断的な観察が必要な症状が特徴的です。
この疾患に対する包括的な知識がないと正答が厳しいため、これを機に確認しておきましょう。
日本で提唱された疾患概念です。下記にあるとおり、第105回の日本精神神経学会のシンポジウムで非定型精神病の診断基準についての考察がされています。
参考
第105回 日本精神神経学会 シンポジウム
ストレスによって急性発症する疾患(非定型精神病を中心として)
ここで提唱されている非定型精神病の診断基準試案です。Wikipediaがみやすいので引用します。
満田による非定型精神病の特徴は以下のとおりである。
- 発病が急激であり、多くは位相性ないしは周期性の経過を示し予後は良い
- 病像は意識、情動、精神運動性障害が主であり、また幻覚は感覚性が著しく、妄想も浮動的、非系統的でいずれも人格とは異質的なものが多い
- 病前性格は少なくとも定型統合失調症者のそれとは異なり、感情疎通性が保たれている
- 発病に際して、精神的あるいは身体的動機が認められることが多い
疾患概念は単純ではありませんが、「統合失調症」、「双極性障害」、「てんかん」を併せたような、様々な症状を呈する疾患とされています。
急性発症し、意識障害を伴い幻覚・妄想状態を呈します。このとき夢幻様と表現されるように、統合失調症とは異なり体系立っていないことも特徴とされています。
これらの症状が2週間程度で顕在化、3ヶ月以内に改善するとされています。
再発・寛解を繰り返し、病前の適応がよく感情疎通性が保たれ、寛解後もし予後が良いとされています。
今回の設問では問われていませんが、精神的あるいは身体的動機が認められることが多いという点も記憶しておきましょう。
急性発症し、意識障害を伴い幻覚・妄想状態を呈します。このとき夢幻様と表現されるように、統合失調症とは異なり体系立っていないことも特徴とされています。
これらの症状が2週間程度で顕在化、3ヶ月以内に改善するとされています。
再発・寛解を繰り返し、病前の適応がよく感情疎通性が保たれ、寛解後もし予後が良いとされています。
今回の設問では問われていませんが、精神的あるいは身体的動機が認められることが多いという点も記憶しておきましょう。
a
意識障害を伴うことが特徴的です。これは統合失調症との違いであり重要です。b, c
周期的な経過をとり再発・寛解を繰り返す疾患ですが、予後は良好なケースが多いと考えられています。d
妄想に関しては、上記のように夢幻様などの体系的でないことが多いとされています。e
統合失調症ではプレコックス感について考察されていることはご存知だと思います。昨今ではこれも以前に考えられていた程は診断には役立たないとされていますが、やはり実臨床ではこのような感覚を覚えることはありますね。
しかし、非定型精神病では感情の疎通性が保たれているということが一つの基準とされています。
非定型精神病に関する問題ですが、これは知っているかどうかの問題です。
非定型精神病は2週間以内に症状が顕在化し、3ヶ月以内に改善するものとされています。
これは、ICD-10では急性一過性精神病性障害、DSM-5では短期精神病性障害、統合失調症様障害などに分類されていますが、完全に同じ概念ではありません。
精神科専門医試験を通して、疾患概念を確認しておきましょう。
目次です。各記事まとめもあり。
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