道路交通法による精神疾患と免許取得に関する問題です。
このテーマは精神科医であれば一度は目を通しておいたほうがよいでしょう。
このテーマは精神科医であれば一度は目を通しておいたほうがよいでしょう。
ちなみに、2002年6月に道路交通法が改定されています。
それまでは精神疾患などは全て絶対欠格事由となっていましたが、2018年9月現在は下記の説明の通り相対欠格事由となっています。
それまでは精神疾患などは全て絶対欠格事由となっていましたが、2018年9月現在は下記の説明の通り相対欠格事由となっています。
今回は第9回81番です。
正解がありません。
二つ選べとのことですが、調べた範囲ではeのみです。
二つ選べとのことですが、調べた範囲ではeのみです。
・欠格事由
1.次に掲げる病気にかかっている者であることが判明したとき。
(1) 幻覚の症状を伴う精神病であって政令で定めるもの
(2) 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であって政令で定めるもの
(3) (1)及び(2)に掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
2 .認知症であることが判明したとき。
3 .アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者であることが判明したとき。
この欠格事由に関して、認知症だけが少し特殊な条件になっています。
その他の疾患であれば、下記に簡単に説明するとおり患者自身が運転可能かを医師が診断書を提出することで免許資格が取り消されるかどうかが判断されます。
しかし、認知症に関しては診断された時点で免許資格は取り消しになります。
認知症に関しては相対ではないということですね。免許センターに電話で確認したので正しいでしょう。
ちなみに、認知機能が低下しているが認知症ではないという状態では、半年毎の診断書提出が義務付けられている点も記憶しておきましょう!
その他の疾患であれば、下記に簡単に説明するとおり患者自身が運転可能かを医師が診断書を提出することで免許資格が取り消されるかどうかが判断されます。
しかし、認知症に関しては診断された時点で免許資格は取り消しになります。
認知症に関しては相対ではないということですね。免許センターに電話で確認したので正しいでしょう。
ちなみに、認知機能が低下しているが認知症ではないという状態では、半年毎の診断書提出が義務付けられている点も記憶しておきましょう!
1.次に掲げる病気にかかっている者であることが判明したとき。
(1) 幻覚の症状を伴う精神病であって政令で定めるもの
(2) 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であって政令で定めるもの
(3) (1)及び(2)に掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
○統合失調症 自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。
特に特殊な点はありませんね。疾患がベースにあっても運転する能力があれば運転免許取得が可能ということです。
○てんかん 発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害及び運動障害が もたらされないもの並びに発作が睡眠中に限り再発するものを除く。
「再発するおそれがないもの」に関しては、てんかん学会が目安を設定していたはずです。
睡眠関連てんかんに関しては運転免許取得は可能なようですね。
睡眠関連てんかんに関しては運転免許取得は可能なようですね。
○再発性の失神脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気であって、発作が再発するおそれがあるものをいう。
不整脈がある場合は要注意ですね。
運転中に生じるbow hunter症候群も運転免許に影響しそうですね。
運転中に生じるbow hunter症候群も運転免許に影響しそうですね。
○無自覚性の低血糖症 人為的に血糖を調節することができるものを除く。
低血糖は繰り返す自覚が無くなる傾向にあるというので、そうならないように注意が必要になるのでしょうか?
○そううつ病 そう病及びうつ病を含み、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。
統合失調症の条件と同じですね。しかし、急性期の躁状態があまりに激しい症例では対応が悩ましいと思いますが・・・。
双極性障害は寛解期はほとんど症状がなくても、急性期は激烈な症状を呈する場合があります。
双極性障害は寛解期はほとんど症状がなくても、急性期は激烈な症状を呈する場合があります。
○重度の眠気の症状を呈する睡眠障害睡眠時無呼吸症候群に関しては、バスの運転などの公的機関では検査が推奨されていますね。交通事故リスクが跳ね上がるため注意が必要になります。
○このほか、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれ かに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する病気
このページで認知症と運転免許についてわかりやすくまとめられていますので、ぜひ参考にしてください。
2016年中の年齢層別免許人口10万人あたりの死亡事故件数で、75歳以上は8.9件と、75歳未満の3.8件と比べて2倍以上となっていることも記憶しておきましょう。
2016年中の年齢層別免許人口10万人あたりの死亡事故件数で、75歳以上は8.9件と、75歳未満の3.8件と比べて2倍以上となっていることも記憶しておきましょう。
3 .アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者であることが判明したとき。
こちらも、基本的には条件次第ということのようです。患者が自己申告した場合に、医者の診断書が必要となります。
「一定の症状を呈するアルコール依存症者を診断した医師から 公安委員会への任意の届出ガイドライン」
アルコールに関しての参考資料です。
医師の公安委員会への任意報告に関する資料です。
アルコール依存症は回復しうる疾患であるため、アルコール依存症という診断・病名に よって一律に届出の対象としてはならない。と前置きをした上で、届出が考慮されるケースが提示されています。
飲酒運転を繰り返すケースや、アルコール離脱による精神症状を呈している場合、認知機能が低下している場合には対処が必要となる場合があります。
さて、ここまで答えはわかると思います。
a.b.c.d
上記の説明の通り相対欠格事由のはずです。e
特に記載がないので欠格事由にはあたりません。この問題は誤っているものを二つ選ぶことができません。
どうなっているのでしょうか!?
精神神経学会に直接質問しています。
参考
高齢運転者に関する交通安全対策の規定の整備について
「一定の症状を呈するアルコール依存症者を診断した医師から 公安委員会への任意の届出ガイドライン」
いつもみています。アルコール中毒は絶対欠格にはならないでしょうか?
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