効率のよい専門医試験対策

皆さんは受験競争、医師国家試験という試験社会で生き抜いてきているため、今更と思われるかもしれませんね。
でも、一応この記事では試験対策における基本的な指針を記載します。

この記事のまとめです。

・試験の合格者数、合格率についての概説
・試験対策の方法についての概説
・今後の私達の方針の概説


◇概略

精神科専門医認定試験は2009年から現在までで計10回施行されています。
会員であれば、すべての過去問は精神神経学会のホームページから閲覧可能です。
この試験問題に関しては、診断基準の変更などがあるため、プール問題も今後は変化していくのではないかと推察されます。



◇受験者数・合格率の推移


第1回の受験者数は50名程度でした。移行措置などの影響があったのでしょうか。
しかし、その後の受験者数は増加傾向にあり、直近3回においては400名~600名近くが受験する大規模なものとなっています。
合格率に関しては若干の変動はありますが、概ね70%前後を推移しています。
専門医試験は筆記および面接から成り立っており、実際の詳細な筆記試験の合格基準が公表されているわけではありません。
しかし、「点数がある一定の基準より低い=専門医の専門性が担保されない」ということでもあり、合格からは遠のくことになるでしょう。

また、精神科医の質を担保するためにも、このような筆記試験は最低条件として考えられるようになる可能性も考えられますね。

◇専門医試験の今後の見通し

皆さんもご存知の通り、現在、専門医試験は過渡期です。
学会専門医制度から機構専門医制度へ移行する中で、試験の内容や難易度・合格率についても変動していく可能性もあります。
こういった時、先輩の意見を鵜呑みにできないというのが非常に厳しいです。
だからこそ基本に戻って、以下の2点が大事になってくると思われます。


◇専門医試験に合格するために

1.過去問で一度出たような問題の類題についてはしっかりと正答する
   (頻出問題を間違えない!)

2.日頃から精神医学に対する昔からの知識、最新の知見を学ぶ


 もちろんこれらを完璧に行うことは、日々臨床・研究に時間を追われる精神科医の受験生の先生方にとっては容易ではありません。そのため、先ほどのべた2点についても効率よく学んでいくことが重要です。

1.過去問の類題についてはしっかりと正答する

当然ですが、専門医試験を受ける人たちは、少なくとも過去問には目を通しているでしょう。そのため、どれだけ難問でも「全く同じ問題」なら正当できますし、初見なら運がよくない限りはほぼ確実に失点します。
こういった、「落とすことで周囲と差がつく問題」は確実に正答する必要があります。

国家試験の対策と全く同じ要領ですよね。
ただし、現時点での大きな問題の一つに、専門医試験の解答が第1回~第3回までしか公開されていないということがあります。正解が分からないなかで、勉強していくことはかなりのストレスです。今回のブログやツイッターを立ち上げた大きな理由は、しっかりとした正しい知識を共有したい!という気持ちがあったからです。



2.日頃から精神医学に対する昔からの知識、最新の知見を学ぶ

正直な話、日々の忙しさの中で勉強を継続的に行うことは非常に困難です。
実際、臨床においても思考停止して、手癖で対応しなければいけない場合が非常に多くなっていると思います。
ある程度の年次になると、新しい知識を取り入れて挑戦するよりも、今までの経験を元に治療を行うほうが楽で、そして成果も高いです。
しかし、専門医試験を受けるくらいの精神科医であれば、まだまだ駆け出しであることを自覚して、新しい知識を取り入れる努力は必要でしょう。
これは心がけ次第の部分もありますが、興味深い知見に触れる機会があるかどうかも影響してくると思います。

この部分に対しても、私達で工夫できる方法を考えたいと思います。


◇試験対策の工夫

さて、上記の内容を踏まえて、実際に私達が行う試験対策方法を以下に提示させていただきます。

・過去問の解答・解説


過去問の重要分野の知識チェックには、過去問の解答・解説を公開していきます。
複数の専門領域の精神科医による協議を行い、正答チェックを行いました。
勿論試験問題の特性上も解答が完璧ではありませんが、参考文献を明示し、正答の根拠を載せています。
また、私達が必要と判断した場合は、その領域の権威にも解答の確認を行っています。

公式からの解答・解説の発表が第1回~3回までしか出ていないため、直近の試験もしっかりと対策をしていきましょう。


また@psy_examで過去問で問われた知識周辺や重要な分野のサマライズを呟きます。
質問や疑問点にも可能な限り返答しますので、ぜひフォローお願いします!

このブログでは各問解説や専門医についての情報共有を、またnoteでは精神医学史(というニッチな分野...)から、頻出の精神科薬物療法の重要事項のサマライズ、そしてfurther studyを求める方向け=試験でよりよい点数を求める方向けの、より詳しい事項まで解説した記事を順次公開していきます。


・まとめ
試験の合格者数、率についての概説
試験対策の方法についての概説
今後の精神科専門医試験の概説
今後の私達の方針の概説


第9回 解答一覧


目次です。各記事まとめもあり。

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