精神障害合併妊娠(統合失調症合併妊娠)についての周産期についての薬理的知識が主の問題です。
正解はb, dです。
このテーマは精神科医の素養として非常に重要ですが、単科精神科に勤務していると学習を後回しにしてしまう領域です。
a
症状としては、易刺激性、不穏、神経過敏、振戦、筋緊張低下、筋硬直、呼吸障害、哺乳障害などで、対症療法のみで治癒することが多いとされています。
事前に精神科主治医から産科医・小児科医に妊婦の内服薬について連絡するなど連携しておく必要があります。
参考:周産期メンタルヘルス コンセンサスガイド2017
b
c
抗精神病薬は一般に相対的乳児投与量(relative infant dose: RID)は数%程度と低く、児に対する影響は少ないと考えられています。
(第二世代薬ではクロザピンについては胎児への副作用が報告されており、注意が必要です。)
d.e
一般に抗精神病薬(定型、非定型)による妊娠中の催奇形性リスク、授乳中の児への影響は少ないと考えられています。
ただし添付文書上ではハロペリドールは妊婦への投与が禁忌となっているので注意が必要です。
※具体的に明言はいたしませんが、某所で提示されている回答では本問の正解は「d, e?」となっており不明瞭な記載がされています。しかしながらこれらの正誤は下記文献においても明記されているので、正解は「d, e」で間違いありません。
参考文献:
1)向精神薬と妊娠・授乳《改訂2版》
2)精神科治療学 第32巻6号
この問題は対策をしていなければ正解は困難ではないかと思います。
直感的には、aが間違い、bは正しいとわかりますが、それ以外については全く検討もつきません。
専門医試験の対策といった点より、精神科医としてこの内容について理解をしておくことが重要と思います。
今回の問題では妊娠・授乳中の抗精神病薬についてのテーマが扱われていました。
当然、精神科領域ではその他の向精神薬についての知識も必要になります。
抗てんかん薬に関しては催奇形性が広く知られていますが、その他の薬剤の妊娠・授乳についての情報も今後まとめたいと思います。
第9回 解答一覧
目次です。各記事まとめもあり。
直感的には、aが間違い、bは正しいとわかりますが、それ以外については全く検討もつきません。
専門医試験の対策といった点より、精神科医としてこの内容について理解をしておくことが重要と思います。
今回の問題では妊娠・授乳中の抗精神病薬についてのテーマが扱われていました。
当然、精神科領域ではその他の向精神薬についての知識も必要になります。
抗てんかん薬に関しては催奇形性が広く知られていますが、その他の薬剤の妊娠・授乳についての情報も今後まとめたいと思います。
第9回 解答一覧
目次です。各記事まとめもあり。
0 件のコメント :
コメントを投稿